仮想化されていく世界。

目次

仮想化されていく世界。

IBM System/360、Microsoft Bitcoin、マックス・ヴェルマンズ 再帰的一元論あるいは不思議の環

現実的な人間の意思決定の特徴は、既存の理論における模範的正しさとは程遠い。しかしこれらは人という生物が長年かけて獲得してきたものであり、安易に非合理的であると断定することはできない。むしろ、現在のところ意思決定について分かっていること非常に限定的である。人の意思決定の生理的なメカニズムの全容は依然として不明であり、主体的な意思決定能力を持つ人工知能は未だ完成に至らない。

つまり僕たちは脳内に仮想化された世界があり、現実とは程遠い「利得より損失が大きく感じられ」、効用状態そのものよりも効用状態の変化を強く感じる主観の世界に住んでいる。

コンピューターが仮想化する世界とは、まさしく人間の脳内にある主観的な世界を再構築することにある。

2014/12/12

広告か?課金か?コンテンツビジネスの未来/加藤貞顕 x 佐渡島庸平 x 佐々木紀彦

ネットでのマネタイズは、どんな方向に進んでいくのか?

サロンに集いし3名がそれぞれの見解を披露。「アップルは、アップルストアを作ることでファンと繋がる仕組みをつくった」という話から、「ネットでもリアルでも特色を持った『場』づくりが重要」という話へ。

『場』にどうやって色をつけるかをメチャクチャ考えている

『場』づくりについては、平野 敦士 カール・アンドレイ・ハギウ著「プラットフォーム戦略」が発表されから6年後、孫正義はYahoo Japanストアカンファレンス2013で「人類は古来より場を持つものが利益を得ていた」と述べられた通りだろう。

一方でコンテンツビジネスについては、放送・映画・音楽・漫画・アニメ・ゲームなどのような知的生産物について,その制作・管理・提供にかかわるビジネスである。

ところで、あなたはお金を払ってまで誰もが知っているありふれた情報を手に入れようとするだろうか?

このビジネスにおける要諦は「知的財産の価値」を守り育てることである。つまり利用されることにより消費されるということがないため、多くの者が同時に利用することができます。しかし、情報は容易に模倣されるという特質をもっており、戦略を持たずにコンテンツをインターネット上に垂れ流すことは、知的財産を放棄していることと同義なのです。

盗んだものを驚くほど効率的に配布できるシステムがある。インターネットと呼ばれているシステムだ。インターネットが閉鎖される可能性はない。
スティーブ・ジョブズ

音楽業界にiTunes Music Storeを売り込んだ際の言葉。『Rolling Stone』誌2003年12月3日号

アップルはアップルストアを作る際に当時競合状態にあったNapsterと異なる戦略をとっていた。つまりコンテンツの無差別配布を抑止すると共に、正規ルートの法的リスクがないコンテンツに対する適切な対価(1曲99セント)を見つけ出したのだ。

すなわち、僕たちは知的財産の価値を適切に見出す方法が必要だ。コンテンツビジネスの未来はそこにある。

2015/1/12

どんな素晴らしいアイデアもリスクをとって行動しなければピザ一枚の価値にもならない。

2019/8/28

VRやARは1997年から基本的には変わっていない。

VRやARの歴史は古く、私がVRに興味を持ち始めたのは1997年に開始された「ウルティマ・オンライン」でした。

これはリチャード・ギャリオットがプロデュースしたオンラインRPGゲームですが、仮想空間の中で、生態系が作られ肉食動物が増えると草食動物が減り、貨幣経済についても物価が相場によって日々変動します。人々は実際に暮らす事ができ、働いたり家を持つ事ができました。

2003年にはセカンドライフという人々が暮らせる世界をバーチャル空間に構築したサービスが開始され、当時は話題となりました。例えば仮想商品を作り、オフィスを買って新たなビジネスを立ち上げる事など、現在も進化をし続けています。

一方で、コンピューターの処理能力が上がり、より精密な画像でサイバー空間を再現できますが、基本コンセプトは1997年のウルティマオンライン、生活に特化したセカンドライフと変わりません。

20年前にウルティマ・オンラインのようなバーチャル空間で、人々が暮らす日が来る事を話しても、言葉による説明も難しく理解できる人はいませんでした。

しかし、今やイノベーターの思い描いた世界を人々が理解し、本当に実現する日を目にする事ができるかもしれません。

2020/5/24

正義とお金。善き生を共に考えるコミュニタリアニズムへ

ランサムウェアにより暗号化されたデータを取り戻すために“身代金”を支払うと、攻撃者は開発を継続し、より高度な攻撃を仕掛けてくる可能性がある。このため、回答者の71%が「企業はハッカーに立ち向かい身代金の支払いを拒否するべきだ」と答えている(日本は58%)。

しかし、攻撃により消費者自身のデータが侵害された場合には、企業は犯罪者にひとりあたり平均約13万円(約1,167米ドル)を支払い、データを取り戻すべきと回答している。

マイケル・サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう」でも、述べられていたが、「正義にかなう社会は、ただ効用を最大化したり選択の自由を保証したりするだけでは、達成できない。正義にかなう社会を達成するためには、善き生の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはならない」つまり、自身に降りかかる火の粉を避けるために、他人の背中に隠れるような事をしてはならない。

しかし、こうした思想は『論語』『大学』『中庸』『孟子』といった哲学が何千年も前から発明されていたが、いまだに社会実装ができていない。

一方で、サンデル教授が唱える人々が共にあることに注目し、共に考え、共に行動する共通性を重んじる「コミュニタリアニズム」が生まれ、善き生き方を考えることが、正義を考える上でも重要としており、こうした思想が人類の抱える問題を解決するかもしれません。

2020/6/15

車の新しいビジネスモデル。

WALKMANをディスラプトした要因は、iPodではなくiTunesだった。

つまりユーザーに新しい体験(コンテンツ)を供給するプラットフォームが鍵だと思う。

車はサービスを提供するプラットフォームになり、所有する事は無くなる。

例えば動画サービスのYoutubeに対してインターネット回線の役割が車だ。

更に車は沢山の広告が配信され、広告代理店にとってもテレビを超える主戦場になる。なぜなら気に入った広告をクリックすれば自動運転で顧客を店舗まで運んでくれるのである。

すなわち広告収入を得るビジネスモデルは確立しており、車は驚くほど安く利用できるだろう。

2020/8/12

将来的には、ジェームズ・キャメロン監督による映画「アバター」が実現するかも。

2020/12/1

「飲水思源」

庾信、中国南北朝時代の文学者。字は子山。

現象を見て本質を知る人でした。

現代で言うところの正義の本質を説いたハーバード大学のマイケル・サンデル教授のようです。

「正義にかなう社会は、ただ効用を最大化したり選択の自由を保証したりするだけでは、達成できない。正義にかなう社会を達成するためには、善き生の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはならない」著書 これからの「正義」の話をしよう

2021/1/31

人類が発明したお金は、価値を仮想的に表して利用できる仕組み、しかしお金によって格差は広がっている。

人が持っている価値の多様性を表せる仕組みが必要だと感じる。

2021/6/30

メタバースは自動運転を導入する車こそ必須になるテクノロジーだと思います。

自動車が単なる移動手段だけでなく、バーチャル空間を楽しむ乗り物として見出され、ラストワンマイルまで顧客を届けるマーケティングツールになり得ると考えます。

2021/11/17

プライバシーは知的財産と一体化していくのでは。。。

つまり知的財産が発明者・著作者の人格(プライバシー)の延長であることから、将来的には知的財産権保護の国際的な促進を目的とした国連の専門機関(WIPO)のような仕組みに組み込まれていくと感じます。

やがて、知的財産を守り貯めて活かすマーケットが生まれ、プライバシーのリスク・ベネフィット評価が必要になるかも。

2021/6/14

1993年にFPS(プレイヤーキャラクターの一人称視点)というジャンルを生み出したDOOM

IPX/SPX通信でマルチプレイが可能でした。27年前ですがメタバース(オンライン上でアバター等を使用して人々が活動できる仮想空間)のアイデアが実現可能なことは想定できていたと思います。1997年 Ultima Onlineを知った時に確証に変わりました。プロデューサーのリチャード・ギャリオットは世界で初めてメタバースを作ったと思います。

20年ほど前はAmazonや楽天のネットショッピングが理解されていませんでしたが、今や人々の生活にインターネットが溶け込みメタバースの環境が整ったとさえ感じます。

まずは移動手段である車内空間がミクスト・リアリティを用いて楽しみ、広告媒体となり、顧客を運ぶ手段として再定義されると考えます。

2021/12/17

メタバースの歴史は古く、過去にも

サンフランシスコに本社を構えるリンデン・ラボが開発した「セカンドライフ」の商用サービスは、2003年6月に開始され、2006年にはユーザー数が196万人まで増えニュースになりました。

近年ではNFTによってメタバース上の土地や建物の売買も発達しており、更に金融工学を組み合わせた資産運用が高まると感じます。このような背景からもMeta が持つネットワーク外部性によって強固な市場が作られていくと感じます。

2021/12/19

現金とは信用の裏付けがされた紙切れに過ぎません。ある意味錯覚です。

仮想通貨は電子データですが、これも信用の裏付けで成り立っています。メタバースの土地やNFTもまた多くの人々が携わり様々な仕組みやルールが社会実装され、利用する人々に価値を提供することで信用が高まっていくと考えます。

例えば2012年にリリースされた The Sandbox はメタバース内に作品を作ることが可能でした。2018年にはブロックチェーンで作品や土地を取引できるようになり、2019年に スクウェア・エニックスなどが201万ドルを投資、2021年11月 ソフトバンク(SoftBank) が9300万ドル投資しました。

https://www.sandbox.game/jp/

現状について、 The Sandbox で実際に売買されているメタバースの土地区画「LAND」の価格を OpenSea (NFTs) で確認しましたが一番安いもので、1区画が3.4ETH(現在のレートで 1,128,816円)です。2021年10月頃より累積で19,000件ほど取引が成立しております。

https://opensea.io/collection/sandbox

なおコインチェックと The Sandbox は2020年9月にパートナーシップを締結し、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」でのLANDの販売など行ってきましたが、この度コインチェックが保有する「LAND」に「Oasis TOKYO」を制作するプロジェクトを開始しました。

このようなメタバースとNFTのプラットフォームが、The Sandboxの特徴です。今後は Meta (Facebook)が本格的にメタバース市場に参入する予定ですので、市場動向に注意が必要だと思います。

2022/2/13

メタバース(国土)とNFT(通貨)によるトークンエコノミー(経済)

新しい資本主義社会へ

生産手段(工場・土地・機械など)を資本として私有する資本家が、自己の労働力以外に売るものを持たない労働者から労働力を商品として買い、それを上回る価値を持つ商品を生産して利潤を得る経済構造から、資本家の富を生み出す源が無形資産(芸術など知的財産)となる社会

2022/2/14

メタバースとは何か

ニール・スティヴンスンの空想した架空のサービスを、テクノロジーがカタチにしつつある状況です。一方で小説には描き切れてない点が多々あります。

私はVRゴーグルが時代遅れだと感じており、メタバースで必要なのはBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)方だと考えております。

Breakthrough Technology for the Brain

クラークの三法則「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」によれば、まだまだメタバースは、進化する余地が残されていると感じます。10年後にはBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)による、今とは全く異なるアプローチのメタバースが産まれているかも知れません。

人々はメタバースがどうあるべきかそれぞれ違う定義で話しています。マーク・ザッカバーグの言うメタバースは数個のVRアプリさえあれば良いものです。様々な人が開発した資産や交流するアプリが、オープンブロックチェーン上にあるというアイデアもあります。・・・物理世界から完全に別の、インターネット上で日常を過ごすことができるというより哲学的なコンセプトもあります。

ヴィタリック・プリテン

2022/2/15

既存の枠組みをメタファーする事が、メタバースの領域であり、新たな文化や思想に可能性を感じております。

メタバースを実現する「手段」から、何を為すかといった「本質」について関心が移ると思います。

文化形成型NFTコミュニティは、コミュニティ史上初の代表性、包括性、すべての人の機会均等化を主張するためのWoW Foundationを立ち上げ、より多くの女性と多様な思考をNFTとメタバース空間にもたらす予定です。基金は、分散型Webスペースでの女性の表現を拡大することを使命として、The Sandboxからの2,500万ドルの助成金にて開始します。

2022/3/8

AIによってメタバースは視覚的な仮想空間から、記号論的な思考空間へ移行する

AIがGoogle検索を脅かしたように、AIによってメタバースは視覚的な仮想空間から、記号論的な思考空間へ移行すると考えます。

私達は、既にメタバースの住人であり・・・ソシュールの記号のモデルによれば、私達は視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚から脳内でシニフィアン(シグニファイア)に置き換え処理している。もとより私たちは脳内でオリジナルと錯覚しているものは、シニフィエ(シグニファイド)なのだと思います。

■山元啓史 東京工業大学教授 言語学研究室
https://cuckoo.js.ila.titech.ac.jp/~yamagen/

■ソシュールと記号論
https://cuckoo.js.ila.titech.ac.jp/~yamagen/ling/ling-saussure-single2020.pdf

■Semiotics: The Basics – Daniel Chandler
http://www.wayanswardhani.lecture.ub.ac.id/files/2013/09/Semiotics-the-Basics.pdf

2023/2/10

コンサルティング業界は変革期を迎える

コンサル首位のアクセンチュアは、人員が2012年から2022年の1.9万人へと4倍近く拡大。新卒・中途を含め、毎年1000人以上を採用しており東京大学や京都大学、早稲田・慶応義塾などの学生からの注目企業として、アクセンチュアはトップあるいは2位にランクインしている。

コンサルは我が世の春!なぜこんなにモテるのか
独走アクセンチュア、精鋭のマッキンゼーやBCG

https://toyokeizai.net/articles/-/629253

2022/12/9

この先、コンサルティング業界は変革期を迎えると思います。人気は現象に過ぎず、記憶と知識といった領域は、もはや多くの人材が大量に生産され、代替可能なものとなり、知的な労働集約型産業になったと感じます。

2022/12/9

ChatGPT が人に代わってアドバイザリーをするメリットと、今後のコンサルティング業界について伺ってみました。

2022/12/9

コンサルティング業界のリストラクチャー(再構築)が始まった模様です。

知識はBing or ChatGPTで補完できる時代になりました。人はこれから、仮説を立て新しいものを生み出すことに関心事がシフトすると予測します。

McKinsey to cut 2,000 jobs in one of its biggest layoffs – Bloomberg News

https://www.reuters.com/markets/us/mckinsey-plans-cut-2000-jobs-one-its-biggest-layoffs-bloomberg-news-2023-02-21/

アクセンチュアが1万9000人削減へ、業界で過去最大級-株価急伸

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-23/RRZ7NYT1UM0W01

2023/2/22

新自由主義の終焉

ハイエクやフリードマンが描いた新自由主義から、ハーバード学派のマイケルポーターは「競争戦略」を生み出し、BIG4が世界に広めていきました。しかし、市場の競争原理の重視は、過剰な投資がインフレと格差を生み出しました。次は人とAIが協調する社会へ

2023/4/3

挑戦を讃える文化と教育が必要です。

いずれ人とAIが協調する社会がやってきます。 「過去の経験のパターン化と組み合わせ」といった思考の檻から出て、現象に流されず物事の本質を見極めて未来を予測する、コンセプチュアルスキルが人間の残された領域だと思います。

2023/4/10

人々は知性によって社会を構築する段階へ

人々は知能をAIに任せるようになります。やがて、知性によって社会を構築する段階へ向かいます。

競争原理は社会全体ではゼロサムです。知能の優劣で競争することから、人は凸と凹があっていい、互いに共助し効用価値を産む発想が必要です。

2023/3/15

自分の頭で考え新たなモノを生み出そう

10年か、それとも来年か…。 競争原理から、多様な考え方を尊重する知性が、 AIの時代に必要とされると感じます。予想通り大学はAIを取り入れた学習へと切り替えております。 他者との比較でしかない偏差値の価値(value)とは何か? 既存の概念に縛られず、自分の頭で考え新たなモノを生み出そう。

2023/5/24

なぜ人は仕事をするのか

人の仕事が少しづつAIとロボットへ移行して行きます。 既存の競争原理に基づく資本主義は、必然的にロボットと競争することになり立ち行かなくなることが予想されます。 なぜ人は仕事をするのか、無意識に刷り込まれた常識を疑い、新しい資本主義に向けて準備を。 共創原理へ

2023/9/25

投稿者: 二本松 哲也

SPbD:Security&Privacy by Design Founder ー OWASP Member ー ITは人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること ー 競争原理から共創原理へ