コンサルタントとは

コンサルタントは、ノウハウを真似されたり、盗まれたり、ディスられたりしてようやく一人前だと思う。

誰からも真似されず盗まれなかったら
それは間違っているに違いない。

もしディスられなかったら
それは既に常識であって
ありきたりな事に違いない。

手に入れた情報は発信してしまうことで、常に鮮度を保っていくことが大切だと思う。

なぜなら、情報の非対称性によって一部の人々だけが知識を得て、競争優位を獲得した時代はインターネットによって終わったと感じる。

今やテレワークやSNSで全ての人が繋がり、様々な知識や情報が共有される時代となった。知識はすぐに陳腐化してしまう。

これからのコンサルタントは、多くの人々に活躍するチャンスを与え、今までにない新たな価値を生み出すことで、課題や困難を克服することにあると思う。

競争原理から共創原理へ

・競争原理とは

資源配分の効率性の概念である。 これは、個人や集団に必要とする資源が限定されているならば、それを獲得するために競争を行って優位の者がそれを獲得できる、とする考え方である。 社会がこの方法で運営されて行くならば、その成功者こそがより良い地位や財産を得られる。 以上は資本主義の基本原理の一つでもある。

1980年代ハーバードでは、マイケル・ポーターの競争戦略などを学び多くのMBAホルダーを輩出し様々な手段を用いて企業を牽引してきたと思う。つまり典型的なコンサルタントもここに含まれる。

だが、競争とは勝者を生み、その分だけ敗者を生む行為だ。つまり社会的に俯瞰して見るとゼロサムゲームでしかない。
そして、敗者にとって勝者とは自分を陥れた敵である。例えば野党のように、ことごとく与党の反対をして政策を批判するだろう。なぜなら、自分が敗者となる世の中を変えたいと思うからだ。すなわち世の中が不安定になる方向へと繋がっていく。

つまり競争原理によって、人を競争相手と決めつけ、有益な情報を隠してスキを見せないよう警戒し、用意周到な根回しで交渉して、新しいアイデアや異なる考え方を押さえつけ、リスクを排除するのである。やがて組織全体が疲弊していくだろう。

一方で共創原理は、多様な立場の人たちと対話しながら、新しい価値を「共」に「創」り上げていくこと。 企業の場合は、消費者や協力関係にある企業、社外人材といったステークホルダーを巻き込みながら、プロジェクトを進めていく。競争では無いため、勝者も敗者も無く相手を蹴落とすことも警戒する必要もない。もはや競争とは次元が異なるのである。
こうした組織が、これからの時代伸びていくと感じる。

競争原理の限界

競争原理のプロセスによって自身の存在価値を見失い、比較することでしか価値を見出せない存在となり、全く新しい価値を持つイノベーションが生まれたときに、業界もろとも淘汰されてしまう
- イノベーションのジレンマ4つ目の理由 -

自らの存在価値を知るためには、自らの強みと向き合うことが必要です。
しかし、相手と比較することが競争原理では命題に含まれております。よって競争相手との相対的な判断で成り立つものです。
その判断の物差しで測れないものは無駄なものとして排除し、選択と集中を繰り返していきます。このプロセスによって自身の存在価値が相手の存在価値に委ねられ、互いに相関し合う関係になります。

例えば、哲学者のサルトルによれば「地獄とは他人のことだ」と他人が私にまなざしを向けると、私についての評価が相手に委ねられ、自分が自分のものではなくなってしまうことを、1944年5月にヴィユ・コロンビエ劇場 で公演された戯曲「出口なし」にて描いております。

つまり、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセンが提唱したイノベーションのジレンマとよばれる失敗に陥る原因として3つの理由を挙げておりますが、私は4つ目の理由として、競争原理のプロセスによって自身の存在価値を見失い、比較することでしか価値を見出せない存在となり、全く新しい価値を持つイノベーションが生まれたときに、業界もろとも淘汰されてしまうのだと思います。

・競争優位の終焉|リタ・ギュンター・マグレイス

Thinkers50による「最も影響力のある経営思想家」トップ50人に選ばれたコロンビア大学教授
MBAコースとともに企業幹部向けのMBAプログラムも受け持ち、「戦略的成長および変革の推進」プログラムを担当している。
奇しくも、2013年にTHE END OF COMPETITIVE ADVANTAGE(競争優位の終焉)という本を出している。

2020/10/24

競争原理からの転換

市場や競争に全て任せるのではなく官民共同でそういった仕組みを作っていこう
岸田内閣総理大臣

衆議院 第208回国会 予算委員会 第3号(令和4年1月25日(火曜日))

こうした考え方は、企業を社会的存在ととらえ、株主の利益のみを優先するのではなく、共同体いわゆる社員とその家族・顧客・取引先・地域社会などステークホルダー全体への貢献(公益)を重視する資本主義と言われております。近年はサステナブル経営、ESG経営、エシカル経営など、企業を社会的存在ととらえる様々な経営手法が増えてきました。

なぜなら競争原理では人も社会も荒廃していきます。囚人のジレンマに陥りゼロサムから抜け出せないことが、社会的な問題になっております。

世界の実質GDP成長率 国別ランキング・推移(IMF)- 日本159位

これからは、共創するため資本主義のあり方を変えていくことが必要なのだと思います。

公益資本主義とは アライアンス・フォーラム財団

2022/2/23

投稿者: 二本松 哲也

SPbD:Security&Privacy by Design Founder ー OWASP Member ー ITは人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること ー 競争原理から共創原理へ