NTTが富士通とNECへ仕掛ける日の丸連合の懸念

日本企業の場合、合併というのはあまり良い結果をもたらさないと感じる。もちろん合併の中でリストラも同時に行われ、既存事業をコア事業とノンコア事業に分類し、コア事業に経営資源を集中させ、規模の拡大とシナジー効果を狙って行くことができるだろう。一方で、社内の意思決定は更に複雑なものとなり、かつての三洋電機も合併後に約10万人いた人材は散り散りとなり、世界シェア23%を有したリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの「2次電池」も競争力を失い、優秀な人材は去ってしまう結果をもたらした。

日経クロステック/日経コンピュータ

日本企業の弱点は会社の意思決定が予定調和と根回しで行われ、変化が訪れたときに急にハンドルを切れない仕組みであること。
また、社内政治によって協力どころか足を引っ張るといった、村社会的な側面がある。

元通商産業省、株式会社日本人材機構代表取締役社長 小城武彦 氏によればサイレントキラーと呼ぶらしい。なお経営学では「構造的慣性」と呼ばれており「あらゆる組織は構造的慣性を備えており、現代社会における組織淘汰の過程では、高度の慣性を備えた組織のほうが生き残りやすい」という命題がある。

なお、意思決定が予定調和的で、全会一致。誰かが反対すると意思決定できない。そうならないためにミドルが根回し調整をしていて、その根回しがうまい人が「できる人」と評価され、出世していくようだ。
結局、企業や社会全体が変わるということは簡単ではない。だから突出した成功例を作るしかない。ミドルがやるべきことは、自分の部署でこっそりサイレントキラーとは違うことをやって、圧倒的な成果を出すこと。これが解決策のようだ。

投稿者: 二本松 哲也

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