アプリシエイティブ・インクワイヤリー(感謝・探究)

先日、取引先の幹部社員から部下の育成について悩みを打ち明けられました。どうやら部下が与えられた仕事に対して「休みまで働けということですか?」と言って脅してくるらしい。やむを得ず仕事の量を減らすのだが、いつまでたっても仕事の進め方を改善しようとせず成長が望めない。彼曰く「最近の人たちは仕事よりもプライベートを重視する傾向があって、仕事に対する意欲が感じられない」と分析している。これはもっともな話で、独立行政法人 労働政策研究・研修機構によれば共働き世帯が増え男性の役割が多様化しつつあるなかで、仕事もプライベートもバランスを求められる時代になってきている。さて、このような場合は部下に対して「何が問題なのか?」と問えば当然「時間が足りない」という答えが返ってくる。選択肢は問題を部下の責任として残業や休日も働かせるのか、問題を上司の責任として仕事を減らす方向で調整するのかどちらかとなる。こうした問題や弱みに注目し、それを解決する問題解決的なアプローチではどうしても選択肢が限られてしまう。

一方で、強みや可能性などのポジティブな面に注目する、アプリシエイティブ・インクワイヤリーという方法がある。この場合は部下に対して「君は過去にこんな成果を挙げている、この仕事についてどう進めるべきか、君の意見を聞かせて欲しい」と問いかける。つまりストーリーを共有させ人間らしい欲求の一つである「意義への欲求」に語り掛け、共鳴する。そうした人間らしい見方から探究できるように手助けをします。

私と取引先の幹部社員は同世代のため置かれている状況が良く似ています。例えば、私達より上の世代は「家庭よりも仕事」、「上司の命令は絶対」という考え方が一般的です。しかし、私達より下の世代は「家庭も仕事も大切」、「パーソナリティを尊重」という考え方が浸透しています。私達の世代はちょうど過渡期でどっちつかずなのです。上司の求めに応じつつ、部下にはやる気を起こしてもらうように配慮しなくてはなりません。

4Dサイクル

それではアプリシエイティブ・インクワイヤリーの進め方についてですが、PDCAサイクルではなく4Dサイクルを推進します。

Discovery

個人と組織の本当の強みや価値を発見すること。組織が潜在的にもっている真価についてのインタビューを行ったり、組織が最もよい状態とは何か、何が本質なのか探求する

Dream

組織の可能性を自由に想像する。インタビューを通して個人と組織が最も輝いているストーリーを描く

Design

達成したい状態を共有する。描いた夢に向かって組織をデザインする

Destiny

達成に向けてアクションプランを用意し持続的に取り組む

投稿者: 二本松 哲也

志を持った人たちと、夢に向かって共に働くことが私の誇りです。 サイバーセキュリティコンサルタント、IPAセキュリティプレゼンター、OWASPメンバー、2020年度総務省事業 テレワークセキュリティ専門家 I キャリア(個人事業主 PG→SE→PL→PM→ システムコンサルティング事業部 部長)、資格(2級知的財産管理技能士、個人情報保護士)、IPCC 地球温暖化防止コミュニケーター