豊田章男社長「現場にいちばん近い社長でありたい」英訳版

[Through the words of Akio] #04 “I want to be the most ‘genba-oriented’ president”

toyotatimes.jp

トヨタイムズの人気記事「あのときのアノコトバ」は日本語版と英語版が用意されているのですが、実は内容が異なっています。日本語版は文と文の間から意味を拾うことを要求される独特な書き振りなのですが、英語版は自然な文体で行間を拾う必要がないので分かりやすいと感じます。是非日本語版と読み比べてみください。


2021年4月1日、豊田章男社長は、トヨタの作業服を着て、最近トヨタ自動車に加わった新入社員との集会に出席していました。メンバーの一人からの質問に答えていると、章男は立ち上がり、曽祖父でありトヨタグループの創設者である豊田佐吉が発明したタイプG自動織機に向かって歩きだした。

機械の仕組みを木製シャトルで示し、トヨタの価値観や哲学は、織機の発明の背後にある考え方に端を発していると説明しました。それは、現場(職場や物事が起こっている場所)で問題を解決することで仕事をしやすくすることでした。

多くの著名なビジネスリーダーが現場の重要性について語っています、しかし、章男が現場を大切にするという彼の言葉によって本当に意味することは、より深い何かを表していると感じます。

2009年1月、豊田章男社長を次期社長に昇格させるという記者会見での発言の一環として、章男氏は「最も現場志向の社長」になりたいとの意向を表明しました。それ以来、彼は証明し続けています。

トヨタには多種多様な現場が存在します。生産工場、流通業者、販売店、そして時にはモータースポーツサーキット。

彼が肉体的にそこにいるだけではありません。事務所、工場、ディーラーを訪問するとき、彼は意図的に事前通知を行わないので、各現場で普段どのようになっているのか観察することができます。彼は突然現れ、そこで働く人々と会話を楽しむのです。

サーキットでは、ヘルメットを装着し一人で試乗し、マスタードライバーとしてエンジニアに率直なフィードバックをしています。章男は現場を動き回り、そこで実際に何が起こっているのか、そして何が問題なのかについての本物の情報を手に入れます。

では、現場とは具体的に何を指しているのでしょうか?シンプルでありながら最も適切で正確な答えは、ここにいるあなたが目撃している瞬間です。それが事実であり、これにより、どこでカイゼンを行うべきかがわかるはずです。そのような努力の継続は、より明るい未来につながるでしょう。

章男が10年以上前に言った「私は最も現場志向の社長になりたい」というコメントは、常に最前線にとどまり、トヨタが行うすべての責任を負うという彼のコミットメントでした。

トヨタに新たに加わった人達のために、それぞれ異なる現場が彼らを待っています。そして、それがカイゼンまたは継続的改善の源であり、周りの人々にとって物事がますます良くなるからです。そして、この考え方こそがトヨタの特徴です。これは、彼の言葉と行動に示されているように、章男が会社を正しい方向に導くために長い間推進してきたことです。

投稿者: 二本松 哲也

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