ビルゲイツの離婚に見られる夫婦のあり方について

夫婦のあり方を見直す時期に差し掛かっていると感じます。日本の少子高齢化は深刻で、出生数は過去最少86万5,239人、合計特殊出生数は、前年の1.42から0.06ポイント低下し、1.36となりました。人口は世代と共に指数関数的に減っている状況です。

厚生労働省 2019年人口動態統計(確定数)の概況

あのビル・ゲイツ(65歳)とメリンダ・ゲイツ(56歳)が2021年5月3日に離婚した模様です。振り返ると、Microsoftの創業者として活躍されつつも3人の子宝に恵まれ、ご夫婦で立ち上げられた ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団 によって慈善活動としての功績もあり、公私共にご活躍されておりました。

私たちは結婚を終わらせることを決定しました。私たちの関係について多くの考えと努力を重ねた末に、過去27年間で3人の素晴らしい子供を育て、すべての人々が健康で生産的な生活を送ることができるように世界中で働く基盤を構築ました。私たちはその使命を共有し続け、財団で一緒に仕事を続けますが、次の人生におけるステージでは夫婦として一緒に成長できるとはもはや信じていません。この新しい生活をナビゲートし始めるとき、私たちは家族のためのスペースとプライバシーを求めます。

メリンダ・ゲイツ と ビル・ゲイツ

一方で、子育てを終えた夫婦は関係を続ける必要性が減っていくものだと感じます。互いにリスペクトしあえる関係になったとして、それでもなお夫婦の関係を維持していくことは難しくなると感じます。特にシニアになると妻は夫婦という束縛から逃れたい思いが強くなる傾向があるようです。

エモーショナルな衝動

つまり、刺激を求める真因は自分自身の考えではなく、妻という役割に束縛され続けてきたエモーショナルな衝動なのだと感じます。メリンダ・ゲイツであっても妻として定年退職が必要だったのだと感じます。

一方で日本における妻という役割について、以下の投稿から捉え方が垣間見えます。16万7千もの「いいね」があり、世の女性達の思いが代弁されていると感じます。少子高齢化の原因の一つとして未婚女性の増加や晩婚化も背景にあると感じます。

なお、平成26年度内閣府調査によれば、実は5割以上の男性が家事・育児を行うことは、当然であると認識しています。現在であれば更に認識は高まっていると考えられます。

男性の家事・育児参画へのイメージ

しかし、意識と行動は大きく乖離しており、現実的には妻というレッテルの元で夫の仕事が優先され家事や育児に責任を持つ構図となっており、共働き世帯であっても変わらない責任がのし掛かっていると感じます。

パラダイムシフト

もはや家事や育児を妻に依存しない夫婦関係がデファクトになると考えます。例えば結婚すると相手方のご両親と良好な関係を築く必要が生まれます。これはシニア世代が持つ妻は格あるべしという価値観を一定程度は受け入れることに繋がります。
つまり妻として失格などというレッテルを貼られてしまうと、精神的な苦痛が伴いますし覆すためには長い時間が掛かるため、もはや事実婚を選択される方が増えていくと思います。今は珍しいことですが事実婚の増加と共に国として認めざるを得ない状況になるのではと思います。

そこで、夫が妻に依存しないためにすべき事は家事と育児です。育児は自分の仕事であるという意識を持つことで随分変わると思います。夫の育児に理解の無い会社の場合もありますが、上司とよく話し合ってみることも大切だと思います。できれば結婚する前に会社と夫の育休などについて話し合いルールを決めておく、また会社の現状についてお相手と話し合ってみると良いと感じます。

更に料理も家庭科で習ったレベルで十分に作れます。自分の食べる分は自分で作るといった認識を持つと良いと思います。できる限り早い段階で料理に慣れておくことをオススメします。なお、料理は毎日作ることが基本のため時短料理が実用的です。インスタントや冷凍食品を一手間掛けて15分程度で1〜3品程度作れれば充分です。もちろん、一汁三菜が理想ではありますが家事と育児と仕事のバランスを考えて出来る範囲で構わないと思います。

家事についても自分の仕事です。掃除、洗濯、ゴミ捨てなど全て自分で出来る様にしておくと良いと思います。例えば中国の春秋時代に孔子によって説かれた論語にもこのような言葉があります。

有子曰く、礼の用は和を貴しと為す、先王の道、これを美と為す。小大之に由る。行われざる所あり、和を知って和すとも、礼を以てこれを節せざれば、亦行わるべからざるなり。

『論語』(学而第一より)

つまり親しき仲にも礼儀あり、夫婦であっても礼節を欠いてしまっては持続可能性が無いと思います。あくまで自分の事は自分で行い、家事を手伝ってくれたら「ありがとう」と言える器の大きさを生涯において試されるのだと思います。

投稿者: 二本松 哲也

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