2019/9/5 – 日本の製造業を守るためにエンジンは必要だ。
エンジンを作るのは、何万社とある下請け工場。もはや日本の産業を支える自動車メーカーは、彼らの仕事を奪うわけには行かない。
電気自動車(EV)ではエンジンがバッテリーに置き換わることに伴い、タンクなど燃料系、点火プラグなど燃焼系、マフラーなど排気系、スロットルなど吸気系、オイルポンプなど潤滑系、ラジエーターなど冷却装置、そしてAT(自動変速機)など変速機構も不要になる(EVsmartブログより)。EVに使われる部品の数は約1万で、ガソリン燃料車の約10分の1ということになる。
RIETI
しかし、モーターで作られた自動車は冷蔵庫や洗濯機と同じ枠組に入るだろう。車が家電となりディスラプションを起こす。
車は運転するものといった既存の枠組みは通用しなくなる
例えば、馬車が車に置き換わっても、なお競走馬は生き残るだろう。ただし残された市場は限りなく小さい。
つまり現在はフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズ、ルノー、メルセデス、アルファロメオといった僅かなコンストラクター (listed team components) だ。
車の新しいビジネスモデル
2019/12/11 – WALKMANをディスラプトした要因は、iPodではなくiTunesだった。
つまりユーザーに新しい体験(コンテンツ)を供給するプラットフォームが鍵だと思う。
もはや、5Gサービスでソフトウェアのバージョンによって、車が進化していくことが当たり前になり、必然的にスマートフォンと電気自動車は統合したサービスになる。
垂直思考・・・HV、PHV、EV、水素カー
水平思考・・・自動運転により運転が不要に
立体思考・・・サービスを提供する場に(映画館、ホテル、オフィス、ゲーム、自宅・・・)
車はサービスを提供するプラットフォームになる
- 映画館+自動運転+レンタカー
目的地に辿り着くまで映画を見る事ができるサービス。自動運転となればハンドルも必要が無く車内に大型スクリーンを装備できる。もはや映画館まで足を運ぶ必要はなく、映画館が家まで迎えに来る発想だ。
- ホテル+自動運転+レンタカー
運転する必要がないため、車内にベッドやソファとテーブル、シャワールームやサウナ、ジャグジーなど装備できる。目的地に着くまでゆったりと寛げて観光も楽しめるだろう。もちろん帰り道も運転を気にする必要はなく快適だ。
- オフィス+自動運転+レンタカー
既におわかりだと思うが、自動運転によってもはや通勤という概念は無くなるはずだ、その時間を仕事に充てよう。
- ゲーム+自動運転+レンタカー
車の窓をディスプレイに置き換えれば、VR空間として様々なアトラクションが楽しめるだろう。空を飛んだり宇宙旅行をしたり、更にゲーミフィケーションを取り入れて双六のように目的地へ移動しても良いだろう。
既に市場は織り込んでいる
もはやテスラは電気自動車と自動運転を実現し、自動車業界で世界一の時価総額を持つ企業となった。一方でトヨタに比べテスラは様々な問題がある。そして業界では長年に渡りテスラの欠点を見つけ出しては、いつか失敗するだろうと予想してきた。つまり完璧さを捨て挑戦する事を優先している会社と言える。
予想通り沢山の失敗をして、失敗する度に成長を重ねてきた。これは失敗をネガティブに捉える日本企業では真似ができない事だ。
例えばイーロンマスクが手掛けるSpaceXでは「失敗を受け入れる」ことで人類が誰も成し得なかった「ロケットを着陸させる」ことに挑戦し、実現しました。
Return to Space https://www.netflix.com/jp/title/81111324
つまり、今は実現できない電気自動車や自動運転を信じて、失敗を繰り返せる社会が夢を実現したと感じる。他にもAppleのThink Differentがある。
車を所有する事は無くなる
2020/8/12 – これから車は所有する事が無くなりサービスを提供するインフラとなる。例えば動画サービスのYoutubeに対してインターネット回線の役割が車だ。
更に車は沢山の広告が配信され、広告代理店にとってもテレビを超える主戦場になる。なぜなら気に入った広告をクリックすれば自動運転で顧客を店舗まで運んでくれるのである。
すなわち広告収入を得るビジネスモデルは確立しており、車は驚くほど安く利用できるだろう。